2009年6月29日
ゴムの話(その5)

天然ゴムを熱分解し無色で揮発性の液体イソプレンが構造単位であることが明らかになり、その後多くの人々によりインプレンの重合体(IR)でゴム状物質すなわち“汎用合成ゴム”を作る研究が確立されました。

ドイツのイーゲー社は「ブナS」を作り、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)が出現しました。さらに、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合で耐油性ゴム「ブナN」の開発に成功しました。

ヒットラー支配下のドイツは軍需資材としてゴムを需要し“合成ゴムの国産化”を達成させました。

一方、アメリカはイギリスから天然ゴムを輸入し第二次世界大戦まではドイツの「ブナS」も輸入していました。
しかし、1942年に日本軍の東南アジア占領により天然ゴム輸入ルートが絶たれ、ドイツからのブナ系ゴムの入手も不可能になりました。

ルーズベルトは合成ゴム製造を国家管理で推進する大統領命令を制定、ブナ系ゴムの国産化に成功し戦後の長期にわたる製品・技術の輸出の基礎をつくりました。
政府管理下で作られていた合成ゴムは、1955年に民間に移行されました。

ゴムは、強国アメリカへの一因になったのかな?。

2009年6月26日
ゴムの話(その4)

合成ゴムについて述べる前に用語の補足を致します。

加硫とは………
生ゴムに硫黄または塩化硫黄を混ぜて加熱し、分子間に橋を架けたように結合させる操作です。この反応に由来して名づけられたそうです。

弾性とは………
外力で変化した物体が、力を取り去ると元に戻ろうとする性質。

可塑性とは………
固体に外力を加えて変化さ、力を取り去っても元に戻らない性質。

重合とは………
簡単な構造分子化合物が二つ以上化学的に結合しもとのものより分子の大きな化合物を作ること。


化学工業の話が多くなりますが、学習した昔に戻りおじさんも勉強致します。

2009年6月25日
ゴムの話(その3)

アメリカ人のオーエンスラガーにより、加硫促進剤が発見されてゴム工業は大きく躍進しました。
原料となる天然ゴムの供給量が限られている為、当時の先進国は、原料確保が重要課題となりました。
南アメリカ、インディオの”涙を流す木”はゴムの木が樹液をだすことからの由来と言われています。アマゾン流域の野生植物であるゴム木から樹液を集め凝固させる作業は、現地人(奴隷制度)の上で成立?していた思われます。
しかし、野生の木だけで生ゴムの生産は困難でした。イギリスは、ヘベア樹の種子を発芽させ東南アジアの植民地で、栽培ゴムを生産するようになりました。今でも、タイ・マレーシア・インドネシアが天然ゴムの生産上位国です。
諸産業の発展と自国の経済繁栄を望む国々により、きな臭い時代に入り、ゴムの需要は拡大しました。
東南アジアに生産拠点を持たない”ドイツ・アメリカ”は化学的に作れる「合成ゴム」の研究を進めていました。
この後は、合成ゴムの話になりますが………。おじさんの暇つぶしに、お付き合い願います。

2009年6月22日
ゴムの話(その2)

アメリカのグッドイヤーが偶然から加硫ゴムを発見し、イギリスのハンコックは天然ゴムと硫黄との化学結合の産物として種々の加硫法を開発し”ゴム工業の父”と呼ばれています。
1830年代から40年代にかけて産業革命の進展により大量のゴムが使われるようになりました。
19世紀末に自動車が発明され、1887年にJ・B・ダンロップが空気入りタイヤを考案し、以降自動車タイヤは今日でもゴムの最大用途です。
ダイムラーとベンツに続き、1908年フォードモーター社がT型セダンを発売しました。大量生産による低コストで大衆化しタイヤを中心としたゴム工業の基礎が固められました。
1894年、パリ〜ルーアン間126Kmの自動車走行レース が行われ、その後に数多くのレースが開催され、 自動車やタイヤの品質向上に多大な役割を果たし、 さらに他の分野にゴムの用途が広がっていきました。
アメリカ発?の100年に一度の不況、 トヨタのお膝元、中部地方は自動車産業の落ち込みで 大打撃です。 100年前の中部地方の産業や経済は人々の暮らしは 如何なものだったでしょうね。

2009年6月19日
ゴムの話(その1)


生ゴムには天然ゴムと合成ゴムがあります。人類が天然ゴムを使用したのは、古代にまでさかのぼります。
一方、合成ゴムは石油化学により製造されるので、1930年以降のことです。

マッキントッシュ(Macintosh)のレインコートをご存知の方も多いと思います。水やアルコールに溶解しないがテレビン油とエーテルに溶解することがわかり、ゴムを布に塗り付けてレインコートを作りました、18世紀前半の話です。

18世紀後半には化学者達により、次第に実用的な多くの用途に利用されるようになりましたが、まだ加硫法の発明がないのでゴム弾性体として利用は不可能でした。

ゴムを意味するラバー(Rubber)は、英語でこすって消す(rub out)で、字消しから由来しています。

まだまだ続くゴムの話、チャールズ・グッドイヤーが加硫法を発明した後は………、次に致します。

おじさんは、パソコンのお相手は短時間と決めています。(単に苦手なだけ)すみません。

2009年6月15日
Oリングの規格。

用途は一般機器用・自動車用・航空機用があり、JIS・ISO/JASO/AS規格と呼ばれていますが、Oリングメーカーが独自に規格化したシリーズもあります。
小生が製造メーカーに入社した頃に比べれば、規格も寸法も豊富になりましたね。
Oリングは、太さ(W)と内径(do)でカタログより規格を調べるのが一般的ですが多様化した分、手間が掛かる?。
ノギス片手に老眼鏡をかけて、お預かりサンプル品の採寸をしています。
太さ(W)3.5と3.53、さてどちらかな?マイクロノギスに持ち替えて作業続行します。

2009年6月11日
パッキンから始まる。

シール装置の品質が何よりもその国の工業水準を語るといわれています。 産業界を支える重要な機能部品だと思います。

10万トン貨物船には2000個を超えるシールが、自動車でも200個近くのシール類が使われています。
日常の身近な製品にも人知れず使用されています。
ガンバレ日本の産業界、高度技術を持つ多くの人達、半世紀以上にわたり確固たる足跡を刻み続けてきた製造メーカー、それを支えた中小工場の皆様……、
頑張りましょう。

2009年6月9日
選定(目的・条件に合うものを選び定める)。

シール製品と一口にいっても、運動用(回転・往復・揺動)、固定用が有り 種類も多岐に渡っています。
使われる条件によっても、最適な形状・寸法・材質を選定する必要があり、非常にデリケートな製品と言えます。
選び方を誤ると、泣いたり(異音)ふくれたり(膨潤)涙を流したり(洩れ)老化が早く現れたりと、
人間と同じ現象かも?。

2009年6月5日
長期不在の家。

田舎で暮らす老夫婦、大企業に勤める息子の家(資金は親持ち)に、 遊びに行きました。
オール電化の太陽光発電も備えた素敵な家ですが……。気兼ねしながら1ヶ月程滞在しました。
老夫婦の戻り道はため息ばかりで会話はなく、我が家が見えてたどり着いてやっと……笑顔。
玄関に入って、苦い顔?留守をした家は、湿気と澱んだ空気にクモの巣、台所にあぶら虫、水道の蛇口は硬くなり赤錆びの水が出る…。
長期間不在の後始末に追われました。

100年に一度の大不況も叫ばれて早や半年!製造工場の機械停止期間も長くなりましたね、産業機械も稼動停止が長期になると、問題が多く発生します。 いざ出陣の時に備えて、試運転を怠らない事が必要ではないかと?思います。

製造業以外の会社は出陣準備に何が必要?。

2009年6月3日
シール製品の優等生!。

間違いなく、Oリングだと思います。

用途は広く、材質、サイズも豊富で入手も容易。 しかも安価だと思いませんか。
Oリングの密封原理は、 圧縮されたOリングが反発力を維持することで シールをします、何方もご存知。
環境負荷物質問題、地球環境問題で メーカーさんは材質改良や品質管理に努力されてます。
この時期は値下げ合戦大流行、致し方なし。

2009年6月1日
日常生活で活躍するゴムは?。

100円ショップで、一箱(80g)入りを購入した。 倍に伸ばしても切れない・・・
用途はさまざま・・・
何と言っても安価・・・
家庭はもちろん、企業でも大活躍です。

輪ゴム(飴色天然ゴム)は優等生!。

2009年5月21日
若い頃は!。

液体や気体が洩れるのを止める部材を、 シール製品と呼んでいる事は、技術屋さんでなくてもご存知だと思いますが、あくまでも専門用語 でしょう。
”シール”と聞くと、ほとんどの人は家具等やH・Pに ペタペタ貼られたキャラクターや花柄のあのシールを 連想する・・・。
戦後(若者には死語?)まもなく、油もれを止める から油止といい、○○油止という会社が有ったとか (今ではオイルシールで定着していますが) 社員が家で奥さんに油の”おしめ”を作っている 会社だと説明していたとか、なる程・・・・・。

おじさんは高度成長期(三種の神器)の会社員。

2009年5月19日
ホームページの先頭部分つまり「ホーム」を、更新しました。 Macでは見た目は良好ですが、Winではどうでしょうか。javaScript ちょっと難しい。